ICT技術の進歩が林業にも応用され始めています。
例えば、航空写真や位置情報を活用して、森林に生えている樹木1本ごとのデータベースを作成したり、これまで人手に頼っていた作業を機械で行うこともできるようになってきました。
作業の安全性と効率性を向上させ、産業としての林業の魅力が高まることが期待されています。
近年、燃えやすい、腐りやすいといった木材の欠点を補う新たな木質系材料が開発されており、今まで木材を使うことが難しかった部分にも建築構造部材として使えるようになってきました。
・(例1)軸材料(柱や梁など)としての利用
鉄筋コンクリート造などと同等の耐火性能がある木質系の構造用軸材料が開発され、マンションやオフィスビルなどの中高層建築物に利用されはじめています。
・(例2)面材料としての利用
従来の集成材や合板と異なり、ひき板(木材を鋸挽きした板)を繊維方向が交互になるように積層し接着した面材料であるCLT(Cross Laminated Timber)が使われはじめています。
工場で大型パネルを製造し、現場で組み立てることで、工期の短縮、建物の軽量化に貢献します。
木材の新たな用途も開発されてきています。
例えば、これまでプラスチック製が一般的だったストローについて、新たな素材として木が注目されており、脱プラスチックの取組として環境問題への貢献が期待されています。
木材の性能向上に伴う法規制の緩和や、効率的な林業の実現に向けた新たな管理手法、さらには国民全体で森林の循環を促進しようという新たな税制など、森林を守り、木材を活用しようという新たな動きが始まっています。