●都は2023年8月より文章生成AIの全局利用を開始
 東京都では2023年8月に「文章生成AI利活用ガイドライン」を策定し、文章生成AIの全局利用を開始。そして職員を対象に実施した利用状況のアンケートをもとに、2024年1月に「都職員のアイデアが詰まった文章生成AI活用事例集」を作成しました。
 さまざまな業務に即した効果的な活用事例やプロンプト(文章生成AIから応答を引き出すための指示・命令文)を知っていただくことで、文章生成AI活用の裾野を広げていきます。

●34の実践的な活用事例とプロンプトを掲載
 活用事例集には、専門家の知見も取り入れ、職員によるアイデアソンで作成したものを含む都庁実務で活用できる実践的な34の活用事例とそのプロンプトを掲載しています。その一部を資料より抜粋して紹介します。

 1 政策のアイデア案を出しリスクを確認する
   (以下は政策のアイデア出しのプロンプト例)


東京都の職員です。

下記の課題に対しての政策のアイデアをお願いします。

#課題
高齢者のデジタルデバイドを解決する政策(*入替部分)

・東京都で行われている施策を除き、東京都以外の都市、特に海外の都市で実施されている施策を参考にしてください。

・項目ごとに具体的にどのように実施するのか、説明してください。

・項目ごとに期待される効果を説明してください。

(*入替部分)は、使用したい場面に応じて文字を入れ替えて使ってください(以下同様)。

【ポイント】
 ・「アイデア」というキーワードを明記することで多種多様な回答を得られやすくなります。
 ・海外での施策を参考にするように入れることで、斬新なアイデアの提案を受けられるようになります。

 2 Excel(スプレッドシート)関数を作成してもらう
   (以下はExcelの関数を作成するプロンプト例)


# 指示
局内講習会の参加者リストにおける「参加可否」列に"参加"もしくは"不参加"を入力する計算式を作成してください。(*入替部分)

# 目的
正確な計算式をエクセルに入力し、参加者の参加可否状況を把握するため(*入替部分)

# 情報
・参加可否の条件:
 ・条件:3つの参加条件(例:参加登録、参加許可、必要な情報の提出)が全て満たされている
・シート構造:A列には参加者名、B列には参加登録状況(1で登録済み、0で未登録)、C列には参加の許可状況(1で許可済み、0は未許可)、D列には必要な情報の提出状況(1で提出済み、0で未提出)が記載されています。E列に関数を入れたいです。(*入替部分)

# ルール
・シンプルかつ理解しやすい計算式であること

【ポイント】
 ・シート構造を教えることで、コピー&ペースト可能な関数を出力できます。

 3 そのほかの活用事例
   ・適切なフレーズを提案してもらう
   ・文章の要約をしてもらう
   ・話し言葉からビジネスメールを作成する
   ・研修の理解度を確認するためのテスト問題を作成する

公表資料は以下からご覧いただけます。
文章生成AI利活用ガイドライン
活用事例集

ぜひご自身の業務に活用してみてください!

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