東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。
そのために、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策に、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問し、東京都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。
7月31日(木)に岐阜県庁、ぎふ木遊館、みんなの森 ぎふメディアコスモスを訪問しましたが、翌日8月1日(金)には愛知県にあるSTATION Aiと愛・地球博記念公園も訪問したので、その様子をお届けします。
前日もとても暑かったですが、翌日となるこの日は朝から前日を上回る体感温度...。
引き続き熱中症に気を付けながらの行程です。
電車を乗り継ぎ、STATION Aiに到着!
愛知県が令和6年10月に開設した地上7階建て、延べ床面積約23,600㎡を誇る国内最大級のオープンイノベーション拠点です。
名古屋駅から2駅の好立地にあり、鶴舞公園に隣接するためオープンで明るい雰囲気があります。
内部は一般開放ゾーンと会員専用ゾーンに分かれており、コワーキングスペースや会議室、交流スペースに加え、カフェ、レストラン、ホテルにフィットネスジムまで備えています。製造業が盛んな愛知県らしく、モノづくり系スタートアップが試作品を製作できるテックラボもあります。
ところで、そもそもSTATION Aiとはどんな所なのでしょうか?
愛知県は、「あいちスタートアップ・エコシステム」の形成に向けて、平成30年に「Aichi-Startup戦略」を策定しました。
「あいちスタートアップ・エコシステム」の形成により、スタートアップを起爆剤としてイノベーション創出の土壌を生成し、愛知県が引き続き競争力を維持し、日本、世界をリードしていくことを目指しています。県だけではなく、愛知の産業界、経済界、金融界、大学を始め研究教育機関、各種支援機関など、地域の産官学金が一丸となって取り組んでいます。
STATION Aiは、「あいちスタートアップ・エコシステム」形成に向けて、スタートアップ企業の創出育成とオープンイノベーションの促進を支援する拠点です。800社を超える国内外のスタートアップ企業、パートナー企業、ベンチャーキャピタル等の支援機関、大学などが集まり、日々イノベーションの萌芽を目指し取組を進めています。東京のスタートアップも多数参画しているとのことです。
また、STATION Aiではソーシャルイノベーション創出の支援にも取り組んでいます。これは、民間提案を起点とした社会課題の解決と地域の活性化を図る官民連携プロジェクトの創出を目指すもので、これまでに「農業」、「デジタルヘルス」、「環境」、「モビリティ」、「スポーツ」の5つのプロジェクトを立ち上げ、推進しています。
さらに、STATION Aiは、国内だけでなく海外9か国22の支援機関や大学と連携しています。海外スタートアップの誘引や来日時の活動支援を通じて、グローバル・エコシステムの形成を推進しています。
愛知県の強みは自動車や航空宇宙、ロボットをはじめ世界的な企業が集まる国際的なモノづくり産業の集積地であることです。「あいちスタートアップ・エコシステム」形成においても、この圧倒的な強みを活かし、愛知県のモノづくり企業の最先端技術と、県内外、さらには海外のスタートアップの新たなアイデア・ビジネスモデルの融合により強力なイノベーションを生み出すことで、日本経済をけん引し、社会課題を解決していく。愛知県庁の皆様は、そんなビジョンを背景にSTATION Aiの取組を詳細に説明してくださいました。
その後、館内視察へ。その一部をお見せします。
STATION Aiの訪問を通じて、愛知県が日本の経済をけん引し、ひいては世界を変えていく!という熱い想いを伺うことができました。
愛知県と東京都は令和6年12月に包括協定を締結し、スタートアップを含め幅広い分野で連携・協力を推進しています。
スタートアップでは、愛知県のTechGALAと東京都のSusHi Tech Tokyo、双方のイベントでの連携や、都県職員の人事交流などを実施しています。
東京都は、今後も愛知県と連携してスタートアップの成長とイノベーション創出に取り組んでいきます。
愛知県の皆様には貴重な機会をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。
非常に盛り上がったSTATION Aiを後にした一行は、お昼ご飯を挟み、この日最後の視察場所である、愛・地球博記念公園に向かいます。
お昼ご飯はもちろん...味噌カツ!

非常に暑い中を歩き、汗もかいていたため、コクのある八丁味噌が五臓六腑に沁みわたります...!
カツもサクサクしていて絶品。ボリュームがあったにもかかわらずペロリと完食しました。
お腹も心も満たされ、もうひと踏ん張りして愛・地球博記念公園へ向かいます。

愛・地球博記念公園に到着しました!モリゾーとキッコロが迎えてくれています。
愛・地球博記念公園は、2005年に開催された愛知万博長久手会場の跡地に整備された愛知県の公園です。
広大な公園内には森や池、芝生広場、スポーツ施設等があるほか、愛知万博で使用された施設も多数残され、活用されています。
近年は、敷地内にジブリパークも開業し、新たな賑わいも創出されています。
大規模イベントのレガシーとして素晴らしい事例であると感じました。
こちらでは、愛知万博開催から20周年を記念して、令和7年3月25日から9月25日まで「愛・地球博20祭」を開催していました(現在は終了しています)。
「愛・地球博20祭」は、愛知の多彩な魅力を発信するとともに、愛知万博から20年が経過し、当時の様子を知らない世代が増える中で、改めて愛知万博を振り返り、未来を担う若者たちにその成果や理念をつなげていくことを目指し、開催されました。
会期中は、公園内の各所で様々なイベントやワークショップ、県内大学生のアート展示などが実施されました。
今回は、その中から2つの展示を視察しました。
1つ目は、写真奥の白く丸い建物「地球市民交流センター」の中に展示されていた、「愛・地球博20祭」のシンボルである「地球の樹」です。

「地球の樹」は、愛知万博で生まれた「一つの地球」という人々の意識が20年の時を経て成長した姿を表した作品です。長久手市在住の切り絵作家である酒井敦美氏を中心としたアーティストの方々と、ワークショップを通じて参加した多くの一般の方によって制作されました。大きな樹に見立てたオブジェに切り絵が投影され、光・風・水など自然を感じられる空間演出作品となっていました。 近づいてみると動物の鳴き声や風や水の音など、地球の営みを感じられる神秘的な空間でした。
2つ目は、愛知万博を振り返る特別展示です。

ここは「愛・地球博記念館」。愛知万博開催当時は迎賓館として使用されていたこの施設では、開催までの舞台裏や当時の先進的な取組、衣装や装飾などが展示されていました。
愛・地球博記念公園を訪れた人が当時のことを懐かしむのはもちろんのこと、訪れていない人にとってもこの万博の様子について知ることができる、学びの多い展示でした。
私自身、今回記念館を訪れて初めて知ったのですが、愛知万博はそれ以降開催されたの万博の土台である「地球規模の課題の解決に貢献する」ことを求める決議を受けて初めて開催された万博となったそうです。 これが「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げた大阪・関西万博へとつながっていることを考えると感慨深いものがあります。