東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。
そのために、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策に、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問し、東京都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。
7月4日(金)に大分県を訪問しましたので、その様子をご紹介します。
大分に向けて出発!
東京から大分へは飛行機で約1時間30分。
大分空港に到着した私たちを迎えてくれたのは、ハローキティ!実は、大分空港は万博開催期間中「大分ハローキティ空港」という愛称になっているそうです。
JR大分駅前に到着し、まず最初に向かったのは、駅から徒歩で10分足らずの所にある「大分銀行赤レンガ館」。東京駅を設計したことで有名な辰野金吾氏により設計され、大正2(1913)年に竣工した、国の登録有形文化財にも指定されている大分の代表的な歴史的建造物です。
平成30年にはリニューアルされ、内部に喫茶店と大分ゆかりの品々を販売する「Oita Made Shops 赤レンガ本店」がオープンしました。赤レンガ館の重厚な雰囲気を大切にしながらも、現代人のライフスタイルにもマッチした素敵な空間でした。
さて、午後の大分県庁訪問に備え、県庁近くで大分の郷土料理をいただきました。
1枚目の写真は、地元でとれた新鮮な魚を、醤油ベースの甘辛いタレと和えた、大分県の代表的な郷土料理「りゅうきゅう」。その名前の由来ですが、沖縄(琉球)の漁師から教わったつくり方を大分で広めたという説など様々だそうです。新鮮な魚介が豊富に獲れる大分県の魅力が詰まった一品でした。
2枚目の写真は大分県のソウルフード「とり天」。ジューシーで柔らかい鶏肉のおいしさもさることながら、てんぷら粉を使った衣はとてもあっさりしていて、何個でも食べられてしまいそうでした。
大分県庁へ
大満足の昼食を終え、大分県庁に向かう途中に、フランシスコザビエルの功績を伝える像がありました。
実は、ザビエルは大分の地でもキリスト教の布教活動を行っており、以来、洋式病院(日本初)や学校などが次々につくられ、西洋文化がめざましく開花していったそうです。
ほどなくして大分県庁に到着しました。
意見交換は、企画振興部政策企画課の皆様にご対応いただきました。
お忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。
今回は、東京都が実施する連携事業をご紹介するとともに、大分県のAI活用・行政DX、教育等についてお話を伺いました。
【AI活用・行政DX】
全国的に人手不足が叫ばれて久しいところですが、大分県では業務をより効率的に行うべく、AIの活用やDXを積極的に進めていきたいと考えているとのことです。
とはいえ、行政によるAIの活用やDXはまだまだ始まったばかりで、全国的にノウハウが不足しているのが現状。こうした中では、自治体がそれぞれの経験を共有し、一体となって取組を進めていくことが大切であるという認識を共有しました。
また、大分県からは、AIの活用やDXを進める上で、個々の事業単位で都度対応するのではなく、広い視野で一体的に進めていく方が効率的であるとのご意見をいただきました。
東京都では、AIの活用やDXの専門人材を採用し、行政の改革を進めています。その一環としてデジタルサービス局は「文章生成AI利活用ガイドライン・活用事例集(外部サイトが開きます)」を作成しましたが、なんとこの意見交換会に出席いただいた大分県職員のお一人がそれを参考にされていることが分かりました。実務的で活用しやすいとの感想をいただき、私たちもとてもうれしく思いました。
【教育】
県内にある立命館アジア太平洋大学(通称:APU)は海外から多くの留学生を受け入れています。これにより、大分県の人口当たりの外国人留学生数はで全国3位を誇ります。
大分県としても国際交流事業に力を入れていて、例えば、広瀬前知事の時代より米スタンフォード大学と県内の高校生が交流し、社会課題について英語で議論をするプログラムが現在まで続いているそうです(すごい!)。
そんな大分県ですが、少子化が進む中でも質の高い教育を提供すべく「遠隔教育配信センター」を設置し、今年度より遠隔教育を開始しました。
まず普通科の高校の4校からスタートして、3年以内に全ての普通科高校に広げる予定で、これにより県立高校の生徒たちは住む地域にかかわらず受けたい授業が受けられるようになります。その遠隔教育も、リアルタイムで行われる双方向型の遠隔授業、夏休みなどの長期休業中に行われる特別授業、オンデマンドによる大学入試問題等の解説など、生徒たちの学習をきめ細かくサポートする内容となっています。
大分県の遠隔教育の詳細については、ぜひ大分県教育庁遠隔教育配信センターのホームページ(外部サイトが開きます)をご覧ください。
この取り組みが今後どのように発展していくのか注目です!
今回はAI活用・行政DXや教育のほかに、観光や人口に関する施策について大分県の取組や考えを伺うことができ、充実した意見交換になりました。
お忙しい中ご対応いただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。
おおいたスタートアップセンターへ
さて、大分県庁を後にした一行が次に向かったのは「おおいたスタートアップセンター(外部サイトが開きます)」。
大分県内のスタートアップについて、同センターおよび公益財団法人大分県産業創造機構(外部サイトが開きます)の経営支援課の皆様にご対応いただきました。
お忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。

(おおいたスタートアップセンター提供)

大分県の産業が詳細に紹介されています
今回は、大分県のスタートアップ支援の経緯や、スタートアップを取り巻く現在の環境等についてお話を伺いました。
【おおいたスタートアップセンターのこれまで】
おおいたスタートアップセンターは、平成27年に開所した創業支援施設です。従来より創業に関わる相談やセミナーを行ってきましたが、県内のスタートアップの創業をさらに盛り上げていきたいとの考えから、ベンチャーキャピタルを招いてのファイナンスカフェを開催するなど、その支援内容は進化し続けています。
【大分県のスタートアップを取り巻く環境】
大分県の産業はそのバラエティの豊かさやバランスの良さが特徴と言えます。
県内には鉄鋼、機械、精密機器、石油、セメントなど、多様な分野の大手企業も多数立地し、水資源も豊かなことから酒造や半導体企業も多いとのことです。
一次産業も充実しています。特徴的なのは水産業で、ぶりやふぐなどの一大産地であるとともに、関あじ・関さばなどのブランド魚も獲れるなど、その魚種の多さを誇っています。農業については、米やピーマンや白ネギなどの野菜、かぼすやしいたけなどが幅広く栽培されています。おおいた和牛も売り出しています。
さらに、次世代空モビリティやドローン、宇宙ビジネスなど、先端技術を活用した新たな産業創出に積極的に挑戦しています。将来的には大分空港に宇宙港としても機能も備えることを目指しているそうです。
このように、大分県の産業はその多様さが魅力で、スタートアップにとっても魅力的な環境といえます。
【東京都との連携】
大分県は様々な産業と実証フィールドを有しています。また大企業も多く立地しているので、スタートアップは大分県の企業に協業の可能性を見出すことができるとの言葉をいただきました。今後、東京都との連携を深め、産業を盛り上げていきたいという熱い想いを共有することができました。
今回は大分県のスタートアップ支援について、スケールが大きく、そしてわくわくするような取組を伺うことができ、充実した意見交換になりました。
また、今後の連携の可能性を探っていきたいとのお話をいただき、大変ありがたく存じます。
お忙しい中ご対応いただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。
そして最後に、全国でここにしかない特別な場所を訪問しました。
ホーバーターミナルおおいたへ
ここはホーバーターミナルおおいた「HOV.OTA(ホボッタ)」。日本で唯一のホーバークラフトの定期旅客便が発着する場所です。
ホーバークラフト?なんだか聞きなれない名前ですね。一言でいうと水陸両用の乗り物なのですが、その形が特徴的です。実際の姿はこちらです!
ホーバークラフトは、上から吸い込んだ大量の空気を船体の下に勢いよく噴出し続けることで、船体を宙に浮かせたままの状態で、飛行機のようにプロペラを使って前に進みます。ホーバークラフトが動いている時は、船体と水面(地面)は全く触れておらず、摩擦はゼロの状態です。そのため、水陸どちらでも最高で時速80キロものスピードを出すことができます。
ホーバークラフトが進む仕組み(大分県提供)
これまで大分市街ー大分空港間の移動は、最短でも高速道路で1時間を要していましたが、令和7年7月26日にホーバークラフトの定期運航便が就航し、これを約35分に短縮できることから、利便性の向上が期待されています。
実は、同区間のホーバークラフトの定期運航はこれが初めてではありません。航路は16年前に一度廃止されましたが、時を経て、時間短縮効果、空港との接続のしやすさ、コスト面でホーバークラフトの優秀さが再評価され、この度の復活となりました。
私たちが訪れたのは定期便の就航日よりも前だったため、ホーバークラフトの姿を見ることはできないかもしれないと思っていましたが、ラッキーなことにターミナルに帰ってくるところに遭遇できました!
豪快に水しぶきを上げながらも滑らかに上陸するその姿を見て、実際に乗船して乗り心地を確かめたくなりました。
東京都公式X(外部サイトが開きます)でぜひその様子をご覧ください!
新時代のホーバークラフトの活躍に期待したいと思います!
今回の意見交換、現地視察も大変有意義なものとなりました。
東京都は、全国各地との共存共栄を目指し、引き続き幅広い分野で連携を進めていきます。
次回の訪問レポートもお楽しみに!