東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。

そのため、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策に、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問させていただき、都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。

今年度の4回目は7月18日に山梨県へ訪問させていただきました。
東京都から山梨県には、特急あずさで約1時間半で甲府駅へ到着しました。
甲府駅から県庁までは、徒歩10分程でとてもアクセスが良かったです。

▼山梨県庁▼

山梨県庁舎

県庁のすぐそばには、かつての甲府城があった舞鶴城公園もあり、そこでは遠方の富士山を鑑賞しながらのんびりと過ごすこともできるようになっています。

意見交換は、知事政策局の皆様にご対応いただきました。
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。

東京都から連携事業についてご紹介するだけでなく、山梨県からも県が力を入れている分野などについてご説明いただきました。

山梨県は、二酸化炭素を出さない「グリーンエネルギー」として注目される「水素エネルギー」開発に力を入れ、水素エネルギー社会の実現を目指しています。
甲府市にある米倉山に、水素の製造や、水素エネルギーの研究などを行う施設を集積し、水素エネルギーの利用拡大、CO2フリー水素サプライチェーンの構築、水素・燃料電池関連産業の振興に取り組んでいます。
太陽光発電の電力でグリーン水素を製造する「米倉山電力貯蔵技術研究サイト」には、岸田総理も視察に訪れるなど、先進的な取組が国内外から大注目を集めるところとなっているそうです!

実は、東京都と山梨県はグリーン水素の活用促進等に関し相互に連携しており、その取組の1つとして、山梨県産グリーン水素で発電した電気が東京ビッグサイトで使用されている電力の一部として利用されています。

▼東京ビッグサイト 中央ターミナルの燃料電池▼

山梨県産グリーン水素

東京都ホームページ「「グリーン水素の活用促進に関する基本合意書」の山梨県との締結について」:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/10/31/05.html

また、山梨県では近い将来に、品川・名古屋間でリニア中央新幹線が開業し、山梨県内に中間駅が設置されることで都心部からの飛躍的なアクセス向上が見込まれています。
これを受けて山梨県は、最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に対し、山梨県全域において実施する社会実証プロジェクトを全面的にサポートする「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」を企業誘致として実施しています。

やまなし未来創造インフォメーションサイト「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」:https://www.pref.yamanashi.jp/try_yamanashi/support.html

これまでにも多数の企業がプロジェクトに採択されてきたそうですが、その中の事例として、市街地から離れた山奥に位置する小菅村では、日用品等のドローン配送を実施して「物流の効率化」を推進、過疎地域が抱える買い物弱者問題の解決に取り組んでいるとのことでした。

意見交換の後は、山梨県から特に力を入れている分野としてご説明がありました、米倉山のグリーン水素関係施設を視察させていただきました。

米倉山電力貯蔵技術研究サイト

米倉山電力貯蔵技術研究サイト

米倉山電力貯蔵技術研究サイトでは、再生可能エネルギーの電力と水からグリーン水素を製造する「P2G(パワー・ツー・ガス)システム」を利用しています。
米倉山でグリーン水素を製造し、工場等へ輸送・利用する一貫したシステムでの社会実証をおこない、山梨県産グリーン水素を県内外に供給することで水素エネルギー社会の構築に貢献することを目指している旨ご説明いただきました。

▼水素輸送用トレーラー▼

水素輸送用トレーラー.JPG

私もこの場所で製造されたグリーン水素が東京ビッグサイトで利用されて、エネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向けた取組として、都内における水素エネルギーの需要拡大・早期実装化に繋がっていくことを実感し、連携事業の意義について肌で感じることができました。

続けて、米倉山電力貯蔵技術研究サイトに隣接する米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ「Nesrad(ネスラド)」を見学させていただきました。

山梨県ホームページ「米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ「Nesrad」」:https://www.pref.yamanashi.jp/newene-sys/nesrad.html

Nesrad

Nesrad.JPG

「Nesrad」は、水素・燃料電池等に関する世界最先端の技術者が交流する研究開発拠点であり、米倉山電力貯蔵技術研究サイトの太陽光発電、水素、ユーティリティなど豊富な実証リソースと入居研究機関との連携により、次世代エネルギーシステムの研究開発をサポートする山梨県営の新コンセプトの入居型研究棟です。
研究室には、燃料電池システム開発を支える共通基盤の研究の推進を目的とした「技術研究組合FC-Cubic」をはじめとした団体等が入居し、技術交流を図りながら次世代エネルギーの研究開発を進めており、国や民間企業との連携をさらに深め、新たな産業の芽を創造することにより県内産業の発展を目指しているとのことでした。

▼エントランスホール▼

調整済(エントランスホール).JPG

今回の訪問は、国内外から注目を集める先進的な「水素エネルギー」開発の現場も視察させていただく等、大変貴重な訪問となりました。

東京都は、全国各地との共存共栄を目指し、引き続き幅広い分野で連携を進めていきます。

次回の訪問レポートもお楽しみに!