東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。

そのために、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策を、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問させていただき、都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。 

  

95日(月)~9月6日(火)に、高知県と徳島県へ訪問させていただきました。
今回は、9月5日(月)に実施した高知県訪問のご紹介です!

高知龍馬空港へは、羽田空港から約1時間20分で到着。
空港から1歩外へ出ると、とても暖かく、南国の雰囲気を感じました。

まずは、空港からバスで移動し、高知県と高知市が共同で整備した図書館等複合施設『オーテピア』へ。
高知県立図書館の方に、施設内にある『オーテピア高知図書館』をご案内いただきました。

            ▼『オーテピア』の外観▼   
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  ※『オーテピア』ウェブサイト:https://otepia.kochi.jp/

オーテピア高知図書館は、全国で初めての県市合築・共同運営の図書館です。
5つの基本方針を掲げ、県立図書館・市立図書館それぞれの役割を果たすため、様々な工夫がされていました。

<基本方針>
 Ⅰ 情報提供機関として地域を支える図書館
 Ⅱ 県民・市民の資料要求に応え、課題解決の支援ができる図書館
 Ⅲ セーフティーネットの役割を果たす図書館
 Ⅳ 図書館利用に障害のある利用者に配慮した図書館
 Ⅴ 進化型図書館

高知市は病院数が非常に多く、医療や健康に関連した書籍のニーズが高いという特徴があるそうです。また、県として、防災・健康長寿・産業振興に力を入れているため、3階にはとても広い専門スペースと専門デスクがありました。産業振興は地場産業と連動しているため、県の郷土資料スペースを隣接するなど書籍の配置も含め、情報提供や課題解決の支援に向けた工夫が施されていました。

   ▼3階のフロア案内図▼      ▼健康・安心・防災情報とビジネス支援の専門デスク▼  
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他にも、年間100万点を超える貸出を効率的に行うためにセルフ貸出機を整備されていたり、調べもの案内(レファレンスサービス)を行う司書の専門性向上のための研修や、プログラミングに必要な情報を提供することにより蔵書検索や書籍の配架先確認ができるアプリを高知工業高等専門学校の先生・生徒に制作いただくなど、利用者目線で利便性を向上するための取組が数多くありました。

       ▼セルフ貸出機▼
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  ※オーテピアアプリについて:https://otepia.kochi.jp/library/info.cgi?id=20190704095707oqdfs1

また、高知県では、県有施設に地場産材を積極的に利用しており、図書館内も、壁・天井・本棚等に県産木材が使われています。訪問時は曇り空でしたが、外光が多く入り、とてもあたたかみのある雰囲気でした。

          ▼『オーテピア高知図書館』の内観▼
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この他にも、県市で合築・共同運営するにあたっての苦労や工夫(蔵書管理システムや図書ラベルの統一など)を教えていただき、大変勉強になりました。

 

続いて、高知県庁へ移動し、総務部政策企画課と観光振興部観光政策課の方と意見交換を実施しました。

        ▼高知県庁▼
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高知県では、高知県まとめサイト「高知家観光キャンペーン「リョーマの休日など、観光分野でのユニークなPRを数多く実施されています。

その中で現在、特に力を入れているのが、2023年度前期のNHK連続テレビ小説「らんまん」にちなんだPR。主人公のモデルである植物学者の牧野富太郎博士は、高知県出身であることから、牧野博士ゆかりの地などを活用した様々なPRを検討中とのことです。
実は、牧野博士は練馬区にも居住していて、1953年に東京都名誉都民第一号に選ばれた、東京都とも非常に縁が深い方でもあります。
共存共栄ポータルサイトでは全国各地の情報を発信していますので、連携してPR情報をお伝えしていきたいと思います。

また、高知県は森林率が全国1位の森林県のため、県産木材の利用に力を入れているそうです。県が率先して木材を使う取組として、「県産材利用推進方針」及び「県産材利用推進に向けた行動計画」において「県有施設は原則木造」「県有施設の内装は原則木質化」と定め、オーテピア高知図書館だけでなく、公共施設の木造化や公共工事での木材利用に取り組まれているとのお話でした。
  ※県産材利用推進の取組:https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030501/housin-keikaku.html

加えて、木材利用の更なる促進に向けて、建築家の隈研吾さんが校長を務める高知県立林業大学校』の運営や、住宅以外の建物への木材利用に向けたCLT(直交集成板)の普及促進など、様々な取組を実施されています。
  ※『高知県立林業大学校』ウェブサイト:https://kochi-forestry.ac.jp/
  ※CLTのパンフレットhttps://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030501/2016093000283.html

その他にも多岐に渡るテーマでお話しでき、大変有意義な意見交換となりました。

  

最後に、高知駅前にある観光情報発信館『とさてらす』へ。
こちらの施設も、天井や柱、カウンターなどに県産木材がふんだんに使用されています。
  ※『とさてらす』ウェブサイト:https://kochi-tabi.jp/tabihiroba/tosaterrace.html

  ▼『とさてらす』の外観▼              ▼『とさてらす』の内観▼ 
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施設内には、高知県内の名所が模型で展示された「土佐名所立体図会」や、県内エリアごとの地域紹介コーナーお土産売り場があります。パンフレットやPR映像、名産品など様々なコンテンツを駆使して、視覚的にも内容的にも非常に魅力的な情報が集まっていました。

   ▼土佐名所立体図会▼                ▼地域紹介コーナー▼
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施設の外には、高知県を代表する幕末の志士3人(坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太)の像や、高知県出身のやなせたかしさんが作者のアンパンマンやバイキンマンの像もあります。

        ▼3志士像▼               ▼アンパンマン像▼
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歴史好きや子供も楽しむことができますので、高知駅に行く際は、『とさてらす』にもぜひお立ち寄りを!

 

高知県庁様との意見交換に加え、東京都でも積極的に進めている木材活用に関する施設を見学でき、大変有意義な訪問となりました。

東京都は、全国各地との共存共栄を目指し、引き続き幅広い分野で連携を進めていきます。

次回の訪問レポートは徳島県です。お楽しみに!!