東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。

そのために、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問させていただき、東京都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。

山形県に引き続き、8月8日に福島県へ訪問しました!
山形県から福島県へは、新幹線つばさで約1時間15分で到着です。

▼福島駅で福島市観光PRキャラクター「ももりん」に遭遇しました▼

画像

▼福島県庁▼

画像

意見交換は、企画調整部の皆様にご対応いただきました。
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。

これまでも東京都では、被災自治体への職員の派遣や、被災地応援ツアーの実施などのさまざまな復興支援を通じて、福島県との連携を深めてきました。
当日は、さらなる連携関係の構築に向け意見交換を行うとともに、福島県からは東日本大震災からの復興の状況や力を入れている取り組みなどについてご説明いただきました。

福島県では、世界で唯一、複合災害を経験した福島でしか得られない新しい学びのスタイル「ホープツーリズム」を推進しています。
これは、現地のありのままの姿(光と影)と復興に向け果敢にチャレンジする人々との対話を通して、震災・原子力災害の教訓、復興、この逆境からどうすれば脱却できるのかを考える福島オンリーワンの新しいスタディツアープログラムです。
例えば、双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」では、館内の映像や展示などの豊富な資料を通じ、震災・原子力災害直後から現在までの復興のあゆみの全体像を学ぶことができるため、ホープツーリズムの導入拠点として多くの方に活用していただきたいとのことでした。

東日本大震災・原子力災害伝承館
https://www.fipo.or.jp/lore/

その他に、力を入れている取り組みとして、「福島イノベーション・コースト構想」についてご説明いただきました。
福島イノベーション・コースト構想では、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため新たな産業基盤の構築を目指しています。
そのために、様々なプロジェクトを実施されているとのことで、中でも「福島ロボットテストフィールド」は陸・海・空のフィールドロボットの一大開発拠点として、インフラや災害現場など実際の使用環境を再現しており、ロボットの性能評価や操縦訓練等ができる施設になっているそうです。
施設では、警察・消防や自衛隊等による災害救助訓練も実施可能で、東京消防庁がヘリコプターを使用した救助訓練を実施したこともあるとのお話でした。

福島ロボットテストフィールド
https://www.fipo.or.jp/robot/

意見交換の後には、東日本大震災の影響を大きく受けた「浪江町」や「双葉町」、力を入れている取り組みとしてご説明いただいた福島イノベーション・コースト構想の現場などを視察させていただきました。

【浪江町】

浪江町の大堀地区に伝わる伝統工芸品「大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)」は300年以上の伝統を誇りますが、東日本大震災と原発事故により、20軒以上あった窯元は全て町外へ避難を余儀なくされたとのことで、現在は浪江町で再建している窯元もあるものの、多くの場所が震災時のままとなっていました。

▼大堀相馬焼 陶徳窯(すえとくがま):大堀相馬焼のシンボルの馬の絵(駒絵)が描かれています▼

画像

▼震災で倒壊したままの窯▼

画像

浪江町の復興のシンボルの「道の駅なみえ」では、大堀相馬焼を含めた特産品が多数販売されていて、多くの人で賑わっており、復興への活気を感じることができました。

▼道の駅なみえ▼

画像

▼名物「なみえ焼きそば」と「釜揚げしらす丼(ミニ)」▼

画像

【双葉町】

双葉町のJR常磐線双葉駅は、駅舎を再建し令和2年に9年ぶりに営業を再開したとのことで、駅前には双葉町役場の新庁舎が建てられています。
令和4年に帰宅困難区域が一部解除となったことに伴い、駅西側地区には「双葉町の暮らしを取りもどすきっかけとなる場所」を目指し、町営住宅や共用施設の整備が進められていて、多数の移住者の方が入居されているそうです。
一方で、町の大半が未だ帰宅困難区域となっているため、生活環境の整備や、町を離れて避難を続ける住民とのつながりをいかに保っていくかが課題となっているとのお話でした。

▼双葉町駅▼

画像

▼震災時に置き去りにされたままの自転車▼

画像

▼双葉町公営住宅▼

画像

【福島イノベーション・コースト構想】

「福島イノベーション・コースト構想」の事業で整備された「浪江町棚塩産業団地」には、「福島水素エネルギー研究フィールド」や「福島高度集成材製造センター」等が入居しています。「福島水素エネルギー研究フィールド」は再生可能エネルギーを利用してクリーンな水素を生産できる世界最大級の水素製造装置を備えた水素製造施設で、生産された水素は、2020東京大会の選手村でも活用されました。

▼福島水素エネルギー研究フィールド▼

画像

▼福島ロボットテストフィールド▼

画像

今回の訪問では、東日本大震災からの復興を目指す浪江町や双葉町の様子や、新たな産業基盤の構築に取り組んでいる現場を視察させていただき、大変貴重な訪問となりました。

東京都は、全国各地との共存共栄を目指し、引き続き幅広い分野で連携を進めていきます。

今後の訪問レポートもお楽しみに!